農業

伯父を偲んで、上喜元

上喜元
上喜元 新酒一番しぼり 純米樽酒 特別純米樽生原酒 酒田酒造(山形県酒田市)

精米歩合:55%
アルコール分:16-17度
720ml

新年早々、訃報が飛び込んできた。
年末に伯父が亡くなったそう。
近年、いろいろあって交流は途絶えていたが、
親類縁者の中では私が最も尊敬する方の1人だった。
若い頃からブドウの栽培に没頭し、
周囲の反対を押し切ってブドウ専業農家の道を選んだ。
まだまだ米さえ栽培していれば十分生活できた時代、
その決断には大きな障害が伴ったことは想像に難くない。
私が物心ついた頃には経営は軌道に乗り始めていたが、
それまでは苦難の連続だったと聞いている。

伯父の最大の業績はオリンピアの栽培技術の確立だろう。
オリンピアとは巨峰系の赤の品種で、
味は抜群だが作りこなせないため消えていこうとしていた品種だった。
それを初めて作りこなしたのが伯父だった。
マスカット・オブ・アレキサンドリアを雨よけ施設なしで栽培するなど、
伯父の栽培技術は卓越していた。
オリンピアは新宿高野などで高級果物として取り扱われ、
伯父も一躍脚光を浴びる存在となった。
この辺りが伯父の絶頂期と言っていいだろう。
だが、伯父は全く奢ることなく技術者として研鑽を続け、
自らの技術を包み隠さず周囲に伝授した。

県の特産物にしようとオリンピアの会が立ち上げられ、
人の良い、欲のない伯父はその会長に祭り上げられた。
しかし、技術とは自ら苦労して会得してこそ身に付くものだ。
会員の栽培するオリンピアは、素人の私からみても似て非なるもの、
最初に伯父が作ったそれとは雲泥の差だった。
そこが躓き始めだったかなぁ・・・・・・・・・・
個人的には経営上どうよ、と思うところはある。
農業の抱える構造上、体質的問題でもあるだろう。
でも、もうそれは言うまい。
今はただ純粋にブドウの栽培に一生を捧げた職人の死を悼みたい(合掌)。
技術者として、私もかくありたいものよ・・・・

さて、上喜元。
これも川原子酒店のオリジナル。

仄かな木の香、出羽桜よりおとなし目。
穏やかなうま味がじんわり広がる。
徐々に味わいが増し、木の香とうまく調和する。
原酒という感じはしない。
出羽桜と比べるとインパクトはないが、
その分飲み飽きせず最後までおいしく飲めた。

満足度 ☆☆☆☆☆☆☆★★★
CP    ☆☆☆☆☆☆☆★★★

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